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2019年7月18日掲載

No.18

 今回は、特殊な細胞による治療のお話です。
 カプリコール治療社Capricor Therapeuticsという会社の発表によると、彼らが開発したCDCという特殊な細胞を用いた臨床試験HOPE-2の中間解析で良い結果が得られたそうです。
 このHOPE-2は、第二相ランダム化二重盲検治験で、ステロイドで治療を受けている患者を対象として、CDC細胞(CAP-1002)1億5千万個を3ヶ月ごとに静脈内注射します。このCDC細胞というのは、人の心筋細胞から作られたもので、エクソソームという粒子のようなものを放出し、これが免疫系に作用すると考えられています。DMDでは、ジストロフィンの欠如が根本原因ですが、その結果として筋肉に炎症が引き起こされることが知られています。CDC細胞はこの炎症を抑える作用が想定されています。
 HOPE-2臨床試験で効果判定は、日常生活に影響の大きい上肢の機能を調べていますが、6ヶ月の段階での中間解析で、CDC細胞に有意な効果が見られたとのことです。過去に、筋ジストロフィーマウスを用いて、このCDC細胞の静脈内注射が筋力を改善すると報告されていましたが、人でも実際に効果がありそうで期待したいものです。
 いずれにしても、ここ2,3年の間に、遺伝子や分子レベルでの治療がいろいろと開発されており、今後10年以内に多くの治療方法が確立されるだろうと私は予測しています。
 来る7月26日には、筋ジストロフィーの治療開発を目指して研究されている、京都大学iPS細胞研究所の櫻井准教授を、当院へお呼びして講演会を予定しています。興味のある方はお越しください。

2019.7.18

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